頼れるのは国だけじゃない!アスベスト除去に使える補助金のご紹介

2015年09月24日

アスベスト除去に使用できる補助金情報

深刻な健康被害を生むアスベスト

アスベストとは、天然鉱物繊維で「石綿」とも言われています。
コストパフォーマンスがよく、補強材として耐火や断熱の効果もあるため、日本では1970~1990年ごろにかけて建築現場で次々と使われていました。
しかし、アスベストは人体への影響が大きく、肺ガン、石綿肺、悪性中皮腫など命に関わる病気の原因となることが近年になり分かってきました。
古い建築物にはアスベストが使われている可能性があり、その場合は除去が必要となっています。
アスベスト除去工事にかかる費用の目安や、利用できる補助金についてここではご紹介していきます。

アスベスト除去工事にかかる費用の目安

次の表は社団法人建築業協会が調査した、アスベスト除去工事費の目安です。
飛散リスクが高く健康被害が大きいといわれている、吹き付けアスベストの除去工事を前提としており、仮設、除去、廃棄物処理費など、すべてが含まれた金額です。
ただ、建物の状況によって費用が大きく違ってくることもあり、処理面積が小さいと面積当たりの費用は高くなってしまう傾向にあります。

アスベスト処理面積 1平方メートルあたりの単価
300㎡以下 2.0万円~8.5万円
300㎡~1000㎡ 1.5万円~4.5万円
1000㎡以上 1.0万円~3.0万円


■除去工事の業者選びは慎重に

アスベストは目に見えないくらい細い天然鉱物繊維なので、かんたんに飛散します。
工事の手順をしっかりと守り、正しく丁寧に除去しなければ危険です。
業者を選ぶときには安さにつられるのではなく、経験や実績が豊富で、信頼できる業者を選びましょう。
相談を持ちかけた際、建物構造・築年数に応じた工事方法を素人にもわかりやすく説明してくれるような業者が良心的で信用できます。

除去工事に使える補助金や助成金

都道府県や市町村によっては、アスベスト除去の工事費に対して補助金や助成金が出る場合があります。
健康被害の深刻なアスベストですが、費用負担の大きさから、工事を躊躇している人が多いためつくられた制度です。


■除去工事の補助金制度例(新宿区の場合)

新宿区では区内に条件を満たす建築物を所有している個人や中小企業者、分譲マンション管理組合の代表者などを対象に、次のような助成制度を用意しています。 制度は随時変更される可能性があるので、詳しくは新宿区へお問い合わせください。

対象となる作業 助成割合 助成上限額
消費税相当額を除くアスベストの含有調査費 10/10相当 25万円/棟
消費税相当額を除くアスベストの除去等工事費 2/3相当 一戸建ての住宅:50万円/棟
分譲マンション・その他:300万円/棟

■公的融資が受けられるケースも

一部の自治体では、アスベストの含有調査や除去工事の費用について公的融資制度も用意しています。
例えば江戸川区ではアスベスト調査費に対する助成制度だけでなく、区内の住宅や作業場などに対するアスベスト対策に対し、融資制度が用意されています。
また、条件を満たせば日本政策金融公庫の融資も利用可能です。公的融資は、一般の金融機関から受けるいわゆるプロパー融資に比べると利率が低く設定されていることが多いので、費用面が心配な方は比較検討してみましょう。

おわりに

それぞれの自治体によってアスベスト除去に関する制度は違います。
社員や顧客の安全を守るために除去工事は重要ですが、それ自体は利益を生み出しません。
キャッシュフローにかかる負担を少しでも減らすために、所有する建物はどこの自治体に属しているのか、そしてどのような制度が利用できるのか、一度確認してみましょう。




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