耐候性土嚢の仕組み。新ガイドライン対応で、紫外線劣化に負けない!

2015年10月19日

耐候性土嚢の仕組み。新ガイドライン対応で、紫外線劣化に負けない!

災害時から建設現場まで幅広く活躍する耐候性土嚢

土嚢は災害現場や工事現場で使用されることが多く、雨風や紫外線にさらされます。
ほとんどの土嚢は紫外線による品質の劣化が課題となっていました。
近年、東日本大震災をきっかけに土嚢の重要性が見直されるようになり、「耐候性土嚢」が注目を集めています。
ここではそんな「耐候性土嚢」についてご紹介いたします。

そもそも土嚢って何?

土嚢とは土を詰めて使用する袋で、土木資材として用いられます。
土砂や水による浸食を防ぐという目的で、河川工事や道路工事などの土木工事全般や災害現場など、幅広い現場で活躍を見せています。
東日本大震災の被災地では、除染後の放射性物質を含む土壌を一時保管するためにも使われました。
爆発物処理現場では、万が一の事故の影響を限定的にするための遮蔽物として使われることもあります。



■土嚢の素材と耐候性土嚢の仕組み

古くから使われている土嚢袋は麻製ですが、近年一般的に使われている土嚢袋は樹脂製です。
そのため紫外線に弱く、長期間使用する現場ではその対策が課題となっていました。
太陽の直射光があたる土嚢袋では設置後3か月程度で穴が空き始めることがあります。
耐候性土嚢はUVカット剤が添加されているので紫外線に強く、長期間の使用が可能です。
一般的に黒色の製品が多いです。



■2トンの内容物が入る大型タイプも

耐候性土嚢には2トンもの内容物が入る大型タイプもあります。
耐用年数1年のものに加え、近年では3年使用できるタイプも販売されるようになりました。
耐用年数が長いと価格が高くなるので、予定している工期などの用途に合わせて選びましょう。



■震災後に高まりを見せるガイドラインへの関心

東日本大震災後、土嚢が劣化して袋が破れる問題があちこちで発生しました。
この問題を引き起こした最大の要因は、土嚢の設置基準や品質基準が明確でなかったことです。
これを受け、震災後は平成18年に設置された「災害復旧事業等における『耐候性大型土のう』設置ガイドライン」への関心が高まっています。

ガイドラインによると、次の施工条件に当てはまる工事では「耐候性大型土のう」の適用が望ましいとされています。


●設置期間が2か月程度を越える長期工事
●複数回転用することで経済的となる工事

など

耐候性土嚢の品質基準とメリット

ガイドラインに定められた耐候性土嚢の品質基準は、「1年後に転置できる」ことです。
土嚢を転置する際はクレーンなどで吊り下げることになりますが、紫外線で劣化した土嚢のベルトが切れて落下すると、周囲の人を巻き込む人身事故にも発展しかねません。
耐候性土嚢を使えばそのリスクが回避でき、複数回転用することでコストメリットが得られるケースもあります。


おわりに

土木工事や災害の現場において、土嚢は重要なアイテムです。
長期間使用する場合は耐久性の高い「耐候性土嚢」を選び、安全性とコストパフォーマンスの両立を図りましょう。



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