一時期大きく話題になった3Dプリンタですが、最近ちょっと下火です。でも確実に技術は進歩しています。普及が進む3Dプリンタ技術を活用し、建物をつくってしまったという事例もあります。3Dプリンタを使うと、いったいどのようなことが可能になるのでしょうか。最新の活用事例を建築土木資材の観点からご紹介していきます。
3Dプリンタとは、通常の紙媒体への平面出力ではなく、立体的な3次元の模造(立体出力)を可能にした画期的なプリンタです。2次元プリンタはインクを吐出して文字や形を複製するのに対し、3Dプリンタは通常樹脂などの素材を積み重ねて立体的なオブジェクトを複製します。
趣味の一環として自分の好きなフィギュアのコピーを作ったり、はたまた医療現場にて心臓の人工弁に代替されたりと、今後社会的用途が増々広まっていくことが期待されています。
ちょっと変わった3Dプリンタ活用例
殺傷能力のある拳銃、マウスの卵巣、人工歯、便器など、すでに活用範囲はあらゆる方向に及んでいます。医療技術への転用によって私たちが命を救われることもあるかもしれません。3Dプリンタの価格帯は、数万円で手に入る家庭用のものから、世界一周旅行ができるほどに高額な製品までさまざまです。FabLabなど3Dプリンタを備えたカフェも存在します。
3Dプリンタで拳銃を作った人には日本でも実刑が出ています。違法なものは、くれぐれも作らないようにしましょう。Youtube上でさまざまな制作例の動画がアップされています。
3Dプリンタが開く、「過去」と「未来」への扉
海外の事例ですが、アメリカでは路面形状に合わせてアスファルトを平らに敷きならす3Dプリンタの開発が進んでいます。また、大型の建築模型に3Dプリンタを活用している武藤工業など、国内で建築に役立てられるケースも年々増えてきています。
3Dプリンタの可能性は、身近なところにとどまりません。「過去」と「未来」への扉を開く可能性を秘めているのです。
5000年前のミイラや法隆寺の国宝「釈迦(しゃか)三尊像」など、歴史的価値の高い遺物や文化財、遺跡の復元にも活用されています。近年寺社仏閣の文化財を狙った窃盗事件が多発していますが、その対策として公開用に3Dプリンタ製のレプリカを置くケースも増えてきました。
この場合、実物は博物館など厳重な警備体制のある場所に保管するそうです。過去にはテロで破壊されたパルミラ遺跡の門もロンドンで展示されました。
3Dプリンタを使うことで、私たちは通常は触れることのできない貴重な文化財を肌で感じ、過去に想いを馳せることができます。最新技術が過去の遺産を守る。技術と文化の融合を示す事例といえます。
3Dプリンタはデータと素材さえあれば、立体的な造形物を生み出すことが可能です。宇宙ステーションへメールで工具を送ったり、火星用住居をつくったり。そんな夢のような研究も進んでおり、アメリカや中国では、実際に宇宙空間で使用可能な3Dプリンタの開発に既に成功しています。
人気マンガ「宇宙兄弟」で主人公のムッタが考案した月の天文台は、部品の一部が月の砂(レゴリス)を材料に3Dプリンタでつくられる計画となっています。人類が地球以外の星で暮らせる日が来るとしたら、そこにはきっと3Dプリンタの活用があるのでしょう。
建築現場に土木建築用3Dプリンタを導入
建築現場から医療現場、文化・歴史遺産の保護と、ありとあらゆる場面で活用されている3Dプリンタ。予想を上回る速度で社会に貢献していたことに、驚いた方も多いのではないでしょうか。インターネット上では、3Dプリンタでコンクリート製のお城をつくってしまうというほっこり動画も話題を集めています。
無限の可能性を秘めた装置、3Dプリンタ。何でも作れる3Dプリンタが目の前にあったら、あなたは何を作ってみたいですか? インターネットが急速に普及した時のように、私たちの未来を面白い方向へと導いてくれるのではないでしょうか。
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