2024年10月17日
防炎シートについて解説!1類と2類の違いとは?
建築現場に不可欠な防炎シート
建築現場の安全を守るために、特定の要項に該当する建物においては防炎シート使用が法律により義務付けられています。
防炎シートと一言で言っても、1類と2類という種類があります。
消防法における「防炎規制」
「防炎規制」は消防法で昭和44年から定められている規制です。
防炎性能基準の条件をクリアした燃えにくい物を「防炎物品」と呼びます。
この防炎物品は、高層建築物や地下街のカーテンや工事現場での工事用シートにおいて、使用が義務づけられています。
また、消防法施行令では病院や映画館など、より幅広い建物が対象となっており、工事用シートに関しては都市計画区域外の住宅以外の建築物には、すべて「防炎物品」使用が義務づけられています。
■落下物による危険を防ぐ効果も
防炎シートは工事現場において養生目的で使われるシートに、防炎性能を持たせたものです。
落下物や塗装作業に用いる塗料の飛散も防ぎます。
現場作業員の事故や通行人を巻き込む怪我を防ぐ意味でも、防炎シートの持つ意味は大きいといえるでしょう。
火災から人命を守る防炎シートの仕組み
防炎シートはどうして燃えにくくなっているのでしょうか?
2種類の仕組みをご紹介していきます。
■繊維素材そのものに防炎性能をもたせる製造方法
化学繊維を製造する過程で、原料の高分子を防炎化し繊維状にする方法と、高分子の中に防炎薬剤を練り込み繊維状にする方法があります。
これらはアクリル系、難燃アクリル、難燃ポリエステル等の化学繊維となります。
■繊維製品にしてから防炎薬剤で防炎処理加工をする製造方法
水溶液状の防炎薬剤を繊維に浸漬付着させ、乾燥もしくは熱処理する方法と、防炎薬剤を付着させたうえで、繊維と防炎薬剤を科学的に反応させる方法、繊維の表面に防炎薬剤を分散させた合成樹脂をコーティングもしくはバッキングする方法があります。
主に綿、レーヨン、ポリエステル等などを織ったあとに防炎化する場合はこの方法が用いられます。
防炎シート 1類2類の違いとは
1類と2類の主な違いは引張強度です。
防炎シート1種は、シートのみで落下物や飛散物を受け止める強度があります。
これに比べて2種は、シートのみでは落下物や飛散物を受け止めるだけの強度がありません。
金網と併用することを前提につくられています。
おわりに
実際建築現場で働いていても、防炎シートの仕組みや、1類2類がどう違うのかなどは意外と知らないものです。
建築現場においての労働災害、巻き込み事故は人命を危険にさらすのはもちろんのこと、企業の社会的信用を失墜させ、損害賠償などの多大なリスクを生むものです。
それらリスクを防ぐためにも、防炎シートの違いを理解してより適した製品を選びましょう。
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