2016年3月28日
猶予期間に準備を!新許可業種「解体工事業」への対応マニュアル
ご存じですか?解体業が独立した許可品目になったこと
建設業を営むには、品目ごとの許可が必要なのはご承知の通りですが、これまでとび・土木工事業に含まれていた解体工事業が、新建設業の許可品目となります。
新たに法律が施行されると、どのような準備が必要なのでしょうか。
申請・更新時の注意点を含めてご紹介します。
「解体工事業」新設の背景とは
建設業法に定められている許可業種は、これまで28種類でした。
これが平成26年6月4日に公布され、平成28年6月1日から施行される改正で1種類増え、29種類に変更されます。
これまで「とび・土木工事業」の一環とされていた「解体工事業」が独立した品目として扱われるのです。
こうした品目の見直しは、1971年の許可制導入以来初のことです。
この背景には今後高度成長期の建物が老朽化し、解体工事の需要が今後拡大するとの見込みがあります。
解体工事を適切に進めなければ、重大な公衆災害や環境悪化につながる可能性があり、アスベストの取り扱いなどでも注意が必要です。
そのため、解体工事に別途許可が求められることとなりました。
■建設業の許可手続きと許可が必要な理由
請負金額500万円以上の工事を受注する業者は、元請と下請け、個人・法人を問わず建設業の許可業種ごとに許可が必要となります。
都道府県知事許可(1都道府県内のみに営業所がある場合)と国土交通大臣許可(2以上の都道府県にまたがり営業所がある場合)で手続きする場所が異なり、許可申請書類や確認資料を提出します。
登録免許税は大臣許可で15万円、知事許可で9万円ほどかかります。
この他、各種証明書の発行代や、行政書士に依頼する場合の手数料などがかかる場合もあります。
許可なしで500万円以上の工事を請け負うと建設業法違反で懲役や罰金が科せられるので、注意が必要です。さらにその後5年間は新規の許可も取得できません。
知っておきたい施工後のスケジュールと準備
施行日は平成28年6月1日ですが、経過措置期間が設けられています。
この期間中は次のような扱いが受けられますが、平成31年6月1日以降はすべて改正基準にのっとった取り扱いとなります。
●施工日前のとび・土木の実務経験は解体業の実務経験とみなされる
●解体工事業の許可を得るためには、新規に設定される解体工事業の監理技術者、
主任技術者の資格を取得した者が必要だが、平成33年3月末まではとび・土木の既存資格者だけでも資格取得済みとみなされる
解体工事業」許可に必要な資格と人員
建設業法の許可を得るためには、項目ごとに経営業務の管理責任者および専任技術者がいる必要があり、さらに誠実性と財産的基礎が要件として求められます。
経営業務の管理責任者になれるのは、次の経験を持つ者だけです。
●その他の建設業に関して7年以上の管理責任者
●役員などとして経営業務管理責任者に準ずる経験(内容により、5年もしくは7年以上)
専任技術者となれる者の資格は一般建設業と特定建設業で異なります。特定建設業の許可を受ける場合、次のいずれかを満たす専任技術者が必要です。
●一般建設業の許可資格要件を満たす者で、許可を受けようとする建設業に関し、
直請けで請負金額4500万円以上の工事で2年以上指導監督的実務経験を持つ者
●大臣特別認定者(指定建設業7業種に関し、過去に特別認定講習を受け、
当該講習の効果評定に合格した者もしくは国土交通大臣が定める考査に合格した者
平成33年4月1日まではとび・土木の技術者資格で許可取得が可能ですが、それ以降は解体工事業に対応できる技術者資格を持った人員が必要となりますので、その間に取得を進めておきましょう。
不明な点は各都道府県の解体業協会などに問い合わせてみましょう。
■建設リサイクル法に要注意
建設リサイクル法では家屋など建物の解体をする際、建設業の許可を持っていない場合は、現場となる都道府県ごとに解体工事業の登録が必要です。
請負金額に関係なく必要となりますので、必ず登録を済ませておきましょう。
登録しておかなければ解体工事業の実務経験との整合性が取れなくなり、許可が取得できなくなったり罰せられたりする恐れがありますので、十分にご注意ください。
おわりに
改正後スムーズに解体業を続けるには、事前の準備が大切です。
ご不明な点は専門家に尋ねたり、国土交通省や各都道府県管轄に問い合わせたりして、適切に対処していきましょう。
お問い合わせ・
ダウンロードはこちら
お電話でのお問い合わせ
営業時間 9:00~18:00(土日・祝日を除く)
キーワード検索
おすすめの記事
カテゴリー