何とかしたい仮設トイレの臭いに。バイオ消臭の仕組み

2015年09月10日

仮設トイレのバイオ消臭

鼻をつくあの臭いを、何とかしたいなら


建築現場、工場、農作業の圃場などにおいて仮設トイレは欠かすことのできない存在です。
阪神淡路大震災や東日本大震災の被災地でも活躍していたことが、新聞やテレビといったメディアで報じられました。
その一方で、仮設トイレに悪臭はつきもので、悩みの種でもあります。
悪臭は企業イメージの低下を招き、作業員の士気にも影響を及ぼす可能性があるので、放っておけない問題といえるでしょう。
ここではそんな仮設トイレでの悪臭対策をご紹介いたします。

仮設トイレの臭い対策

これまで仮設トイレでは、便器内に木酢液を垂らしたり、抽出後のコーヒーかすを撒いたり、お茶の出がらしを置いたりといった悪臭対策が行われてきました。
しかし近年では、より効果的な専用消臭液の使用が主流となっています。
さらに、微生物の力を活用したバイオ消臭も注目を集めています。


■仮設トイレ専用の消臭液の仕組み

消臭液の仕組みは製品によっていくつかの種類があります。
多くの製品では悪臭のもととなっている成分(アンモニアや硫化水素)と化学反応を起こし、臭いを消し去ります。
また、抗菌剤が菌の繁殖を防ぎ、排せつ物の腐敗を抑制して新たな悪臭の発生をブロックします。

芳香剤には、悪臭を消す効果はありません。香りを上乗せして臭いをごまかすものなので、臭いが強い仮設トイレの悪臭対策には、向いていないといえるでしょう。

設置場所で使いわける4つのタイプ

仮設トイレには4つのタイプがあります。
臭い対策を考えるなら水洗式の方がおすすめですが、下水道に直結できない場所では、タンク式が選ばれることとなります。

タイプ 設置場所 特徴
ポンプ式
簡易水洗
どこでも可 給水工事も排水工事も不要で、置くだけで設置可能。内蔵タンクの水で流して、たまった汚物は汲み取り。
非水洗 どこでも可 いわゆる「ポットン便所」タイプ。水を使わず、たまった汚物は汲み取り。
水洗 水道および公共下水道もしくは浄化槽のあるところ 給水工事、排水工事が必要。
簡易水洗 一般水道のあるところ 給水工事が必要。たまった汚物は汲み取り。

新しい仕組みで臭いに対抗するバイオトイレ

近年では屋外用仮設トイレとして、微生物の力を利用して排せつ物を分解する「バイオトイレ」を使う現場も増えてきています。
おがくずに含まれている微生物と糞尿に生息する腸内細菌が、糞尿を水と二酸化炭素に分解処理します。
分解されずに残るのは、わずかな無機成分(窒素、リン酸、カリウムなど)のみなので、悪臭が効果的に抑えられます。


■バイオトイレは悪臭対策に大変効果的な上、多くのメリットがあります。
○水を使わないので、水道料金が不要
○下水も浄化槽も使わないので、どのような場所でも設置可能
○汲み取りが不要
○衛生的
○環境への負担がない
■一般的な仮設トイレに使用できるバイオ消臭剤も
「バイオトイレは気になるけど、初期費用が負担」という方には、一般的な仮設トイレに使用できるバイオ消臭剤をおすすめします。
使用する周期は製品によって異なりますが、投入するだけでよいものが多く便利です。
悪臭のもとを取りのぞき、便槽の酸素を減らすので、ウジやハエの発生を抑える効果も期待できます。

おわりに

請け負う工事の内容によって、さまざまな場所で作業しなければならない建設業において、仮設トイレはなくてはならないものです。
採用、定着率の改善にもつながるような作業員に喜ばれる衛生的なトイレを目指しましょう。

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